総評
受賞作品
NPC部門受賞作品
“悪のカリスマ頭目”
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運営チームコメント
今回は5キャラで1組の悪党集団という、今までとは少し異なるレギュレーションでのイラコンとなりました。
その中でNPC_A「悪のカリスマ頭目」は集団の顔そのものであり、全体の在り方を定める非常に重要なキャラとなります。
悪党であること。
カリスマ性を感じさせること。
この2点を如何にデザインに落とし込むかが肝でした。
そんな中、ユーザー投票1位を取り採用となったのが長潟聡太さんの作品です。
長潟さんの作品は七つの大罪にもある“強欲”をキャラのパーソナリティに据えたそうです。
そういったしっかりした土台を持ったデザインは非常に安定します。
光物を集めるという“強欲”要素の高い習性のあるカラスのモチーフを加え、絵的なリッチ感を高めたのも見事です。
とても良いデザインを上げていただきありがとうございました。
上位入賞に女性キャラが多かったのは、そういうキャラが求められているのだなぁと認識させられました。
一方で3位に付けているクロワッサンさんの作品は、もっと「ボスらしさ」が立っていれば票を伸ばせたかもしれません。
“刃物のような美形”
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運営チームコメント
美形の敵キャラというのは、多くのコンテンツにおいて非常に人気の出やすいポジションです。
二次元キャラは「美形」という設定がなくとも少なからず整っているものなので、美形キャラはより美形としてデザインする必要があります。
そこに説得力を持たせるために画力も要求されるのですが、そこは学生の皆さんの多くも意欲が湧く要素。
多数の顔がいい作品が集まりました。
そんな中、多くのユーザーに支持され1位を取ったのがりっくすさんの作品。
なるほど、とても顔がいい。
ボディラインがわかるタイトな衣装にゴージャスなシルエットを生む装飾要素と、とても人気が出そうな要素をきっちりと押さえています。
2位以下のラインナップを見てもどういったデザインが「美形」と認識されるのか。
こういった市場の嗜好がある程度浮彫になるのも、コンテストの面白いところです。
また「刃物のような」というのはキャラの剣呑な雰囲気を示す形容詞であって、必ずしも武器として刃物を持たせる必要はなかったのですが、応募作の多くが「刃系キャラ」であったのは、もっと多様性があって良かったと思う一方で面白かったです。
“山のような巨漢”
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運営チームコメント
他のキャラと並べた状態ならキャラの大きさを表現するのは楽ですが、キャラデザインとしては単体でも大きいことがわかるようにする必要があります。
採用時にはゲームに実装することまで考慮すると極端なパースも付けにくく、素のデザインで表現する必要があります。
ユーザー投票で1位を取ったnerujorletさんの作品は頭を小さく、身体を大きく描くことでそれが非常にわかりやすく表現されています。
今回、予想通りではありましたが最も応募数の少なかったのが“山のような巨漢”です。
キャラのバリエーションを必要とするゲーム業界などでは、確かにメインではないにしろ需要があります。
こういったキャラも描けるようになっていると将来的な武器になります。
今回この枠に応募してくれた皆さんには、今後も頑張っていただきたいです。
“小柄なマスコット枠”
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運営チームコメント
今回唯一、運営チーム側の判断によりユーザー投票による順位を覆しての採用になったのが5位のあおむぎさんの作品です。
エントリー数99。別枠“山のような巨漢”の4倍近くの作品が集まった最大激戦区。ユーザー票も割れに割れ、上位陣の票数差が少なかったため、採用は実装におけるバランスを優先させてもらいましたが、実際どれが採用されてもおかしくない作品が集まりました。
特に1位の瀬川さんの作品は可愛らしい見た目でありながら、悪党の集団の中にいて違和感のない設定を持ち、それがしっかりとデザインに落とし込まれている大変完成度の高いものでした。
採用となったあおむぎさんのデザインも、こどもの無邪気さがあわせもつ残酷さが表現できており、悪党チームに綺麗に収まり、敵として出てきても違和感のないものとなっています。
“人外の異形”
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運営チームコメント
“人外の異形”。
人の形を外れており、なおかつ話のできないモンスターではなく仲間内でコミュニケーションが成立しそうなデザインという、難しくも幅の広いレギュレーション。
どのあたりまで崩すかのさじ加減も面白く、実にバラエティに富んだ力作が集まり見ごたえがありました。
やはり王道が強いのか、ユーザー投票1位を取ったのは「竜/蛇」系のシルエットを持つリさんの作品。
3位のReinaさんもSF風味を入れて違う方向性を打ち出しているものの、やはり人気があるようです。
リさんは別枠の“悪のカリスマ頭目”でも2位にランクインしており地力の高さがうかがえます。
個人的には2位・小澤涼平さんの「法師/胞子」モチーフがとても好きで仕上がりの完成度も高いのですが、王道に比べると若干不利な方向性ではあったようです。
2017年の初開催から7回目となる「専門学校イラストコンテスト2023」は、過去最多の10校にご参加いただきました。
今回も実力が伯仲したハイレベルな作品ばかりで、投票結果もそれを反映して数票差で順位が決まるケースが多々ありました。参加作品数も多い中、採用された方、また上位に入賞された方はおめでとうございます!残念ながら上位入りできなかった方も、これを励みにさらなる実力を身につけていただければと思います。
今回の開催においては、以前同様に弊社スタッフが直接お伺いしレクチャーさせていただく機会も多く設けることができました。皆さまの技術向上のお役に立てたようでしたら大変嬉しく思います。
参加していただいた各校の皆さま、先生方、投票でご参加いただいたユーザー様、このたびはありがとうございました。
「英雄クロニクル」「バースセイバー」運営チーム一同